前回、アドベンチャーゲームを形成する基本的な要素を説明しました。
- イラスト素材:立ち絵・背景・メッセージウィンドウなど
- サウンド素材:ボイス・BGM・効果音など
- テキスト素材:文章・チップスなど
- ゲームエンジン:ゲームを動かしているエンジン
- その他:フォントなど
これが前回提示したアドベンチャーゲームを構成する5つの要素です。これを踏まえて「作品内容の検討」について説明をしていきます。ここでいう作品内容の検討とは「このジャンルが流行りだ」とか「ユーザー層が厚いのはこのジャンルだ」的な話ではありません。自分たちが作成したいゲームを作ろうとした際に何が必要なのかを改めて検討しようという内容になっています。
作品傾向によって要素の重要度が変わる
例えば、本格的なサイコサスペンスゲームを製作したいと考えます。「かまいたちの夜」のような作品を製作する場合は、立ち絵などのイラスト素材よりもサウンド素材やテキスト素材がより重要になります。
では女の子を攻略する学園アドベンチャーゲームを制作する場合はどうでしょうか。同じくサウンドやテキストが重要なのは間違いありませんが、立ち絵や一枚絵の枚数の方がより重要になってきます。
製作する「作品内容によって重要な部分が異なる」という点が重要です。使用しているすべての構成要素が質・量ともに素晴らしいというのは理想です。しかし現実は時間や予算の問題があります。そうなると時間や予算をかける部分と時間や予算をかけられない部分が出てくるはずです。
そういった選択の基準になる部分を事前に検討しておくことには大きく2つのメリットがあります。まずは単純に「どこに力を入れるべきかがはっきりとする」もうひとつは「製作する作品の強みがはっきりとする」という点です。
女の子を攻略する学園アドベンチャーゲームを制作が決まり、素晴らしいキャラクターとシナリオがあったとしてイベント用のCGがわずか3枚だったらどうでしょうか。せっかくの魅力が伝わりにくい内容になってしまいます。
作品内容の検討は、自分たちに何が不足しているのかを導き出すだけではなく、自分たちが強みとしている部分が「本当に強み」になっているのかを再検討する場面でもあるのです。
次は、実際にアドベンチャーゲームを構成する要素の中で、少し特殊なゲームエンジンに関して説明をしていきます。