前回、アドベンチャーゲームにおいてイラストはシナリオと並び非常に重要度の高いものであると説明をしました。今回はイラストに関して検討をしていきたいと思います。
■キャラクター素材:立ち絵・一枚絵・カットインなど
■背景素材:シーンの背景など
■システム素材:メッセージウィンドウ・セーブやロードのアイコンなど
■その他:タイトルロゴなど
アドベンチャーゲームを構成する要素で説明をしたアドベンチャーゲームで使用をするイラスト部分の簡単な一覧です。大別すればこの4つになります。サイト専用の画像などを用意するとまた用意するものが増えるのですが、今回はゲーム内に限定をしています。
自分たちで用意するパターン
内部メンバーにイラストレーターがいる場合は、全体の作業量やシナリオのボリュームなどと調整をして作成する枚数を決定していくことになります。原案・シナリオも内部で行う場合は「シナリオとイラストをセットで検討する」ことをオススメします。
どこ程度の人数なら描くことが出来るのか、作品を構成する上で最低限必要な立ち絵の枚数はいくつなのかなどお互いに線を引くことで調整が楽になります。
誰かに作成してもらう
外部のイラストレーターに描いてもらう場合は、詳細を事前に決定しておく必要があります。交渉事の基本ですがまずは自分たちの「理想の状態」を提示しましょう。ここでいう理想は現実的な理想です。作品規模を考えた上で、30枚一枚絵が必要ならばそれを提示します。作品規模を上回るような枚数などの提示は交渉にならなので、意味がありません。
互いに作業量や有償の場合は価格などを調整し、最終的な枚数を決定します。また、依頼者側はリスクヘッジとして優先順位を作成し、最悪なくても成立するラインを決定しておいた方がトラブルが合った際に対応が楽になります。
諦める
例えば「かまいたちの夜」のようなゲームを作成する場合、シルエット画像をわざわざ依頼したり、自分たちで作成をする必要はほとんどありません。この部分に力を割くくらいなら作品の強みに絡むBGMや演出にこだわった方が完成度が高い作品になるでしょう。
背景素材に関してもフリーや素材集で素晴らしいものが数多く存在しています。オリジナルの背景を依頼するとなると結構な金額になってしまうので現実的に考えてすべて独自で作成することは難しいと言えます。必要なイラストの中で明確な優先順位をつけていくことがゲーム製作においては非常に重要といえます。
今回は駆け足で説明をしていますが、システムに関わる部分は「スクリプトエンジン」と大きく関連します。このように一口にイラストと言っても強い関連性を持った部分が存在するので素材を用意する際には注意が必要です。
次回はアドベンチャーゲーム内で使うサウンド素材に関して説明をしていきます。