前回、アドベンチャーゲームに必要な要素を集める方法は大きく3つあることを説明しました。
- 自分たちで用意する
- 誰かに作成してもらう
- 諦める
ではシナリオを検討していきたいと思います。
外部に丸投げの可能性は低い要素
シナリオを完全に外部に丸投げするケースは低いと思います。制作を代行するようなメーカーの場合は違うと思いますが、まずは自分たちに「作りたい作品」というものがあり「アドベンチャーゲーム制作」を行うという流れだからです。そのため、ここではシナリオを完全に外部に投げることは例外として説明を行いません。
ただし「完全に」という言葉がポイントで、原案を自分たちで行い実際の文章(シナリオテキスト作成)を外部に委託するパターンはあると思います。
自分たちで用意するパターン
これは非常にシンプルです。自分たちで話の筋を考え、ゲーム内で使用を行う文章も作成するパターンです。話の流れだけではなく各種ゲーム内のイベントも内部の人間で検討できるのでメリットです。シナリオの詳細が決定すれば必要なキャラクター数や一枚絵の詳細も導き出すことが出来ます。逆にイラスト的な制限の中で、原案やシナリオを検討していくことも可能です。
誰かに作成してもらう
原案は自分たちで考え文章(シナリオテキスト作成)を外部に委託するパターンです。この場合は、文章を書く人間にどれだけ情報を投げることが出来るのかがポイントです。
■ジャンルの設定(ホラー、恋愛などの大枠での設定)
■ユーザーに何を感じさせるのか(人間の恐怖なのか、恋愛の素晴らしさなのかなど)など
■対象年齢は設定されているのか?
■立ち絵・一枚絵の枚数に制限はあるのか?
■プレイ時間の制限はあるのか?など
作品の心理的側面を伝えることも大事ですが、現実的な制限を事前に設けることは重要です。漠然と考えることはとても難しいものです。現実的な制限はスポーツで言う「ルール」のようなもので、ルールがなくボールを渡されてもプレイヤーは競技を行うことは出来ません。どこまで詳細なルールを説明できるかがポイントになります。
諦める
アドベンチャーゲーム製作において、シナリオを諦めることは選択肢に入りません。アクションゲームやシューティングゲームであれば最悪、概要だけで製作が可能かもしれませんが「テキストを読ませるかたちで進化した」アドベンチャーゲームにおいてはシナリオはとても重要です。
諦めるラインがあるとすれば、理想と現実の差異になると思います。どんなに魅力的なキャラクターのアイデアがあってもイラストの枚数制限などが登場を許さないケースがあります。
前の記事でビジュアルノベルという言葉を紹介しましたが「画像+文章」という構成が現在のアドベンチャーゲームの支流である以上、イラストとシナリオは切っても切れないほど密接な関係にあります。シナリオを検討する際はセットでイラストに関しても検討した方が、後々に調整するよりも製作が楽になると思います。
次は、ここでも重要性を確認したアドベンチャーゲームにおけるイラストに関して説明をしていきたいと思います。